今月アタマにある会社を公正取引委員会に告発した件をアップしましたが、その件について本日一定の決着を見たのでここに議事録を残しておきます。
先方に和解の意志はなく、こちらは申告を取り下げない事になったので、このままだと公取委から中小企業庁に送られ、(あくまで”予想”ではあるものの)ある程度重い行政処分が下る可能性が極めて高いと聞きました。あとは結果を待つのみです。当然ながら調査は申告した案件のみに留まらず、対象となる親事業者が発注した、可能な限り遡れるすべての案件に及ぶので時間は数ヶ月かかりますが、その分、ほかにも被害を受けた子事業者がいればその方々も助かることになります。我々は十分に和解のチャンスを与えたのでそれを再三にわたり突き返した以上、結果がどうなろうとも残念ながら同情の余地はありません。…本当に残念ですが。(やはり残念なのは本心です。相手の会社全体に恨みがある訳ではないので。)
この期に及んで先方の下請法に関する知識が極めて低く、こちらが善意で…全くの善意で再三申し出ていた和解の提案を先方はまるでこちらをタカリのようにしか認識できていなかった事に少々驚愕しました。先方の弁護士というのも意外に知識が無いという事にも驚きました。
というか、やりとり全般を振り返って思った事はとにかく下請法に関する先方の知識が低過ぎると言う事。こちらが明確に説明しているにも関わらず、いまだに「公取委から事情聴取がある。言い分を主張する機会がある。顧問弁護士が頼りになる。」ということを妄信していました。当たり前ですが公取委の調査は秘密裏に行われ、申告した下請業者は徹底的に守られます。親事業者が主張する機会等は与えられません。一方的に、かつ知らないうちに調査は進められます。下請法に訴えても、ADR法での”裁判外”紛争解決という手段に出ても、必要に応じて第三者の指定業者が仲介するので親事業者の顧問弁護士に出る幕はありません。親事業者はこれほどまでにリテラシーが欠如しているのが残念ながら実情なのです。ここに皮肉にも下請事業者の活路があります。
さて、勧告が下りれば公取委がその情報を公開する事になるのでその時に先方の会社名が明らかになります。この情報はいわゆるブラックリスト化されており、代理店やクライアントと取引契約を交わす上で非常に重要なものになることを…先方は知っているのかいないのか。。。同情さえ感じます。願わくば情報公開されない勧告以下の軽い処罰になることを若干望んでいる部分もあります。
いじめられている下請業者の皆さん。私の声が届くかどうかは分かりませんが、頑張ってください。下請法、及びADR法(裁判外紛争解決手続)は無条件で下請業者の味方です。親事業者は弁護士という下請法においてはなんの役にも立たない存在にいまだにおんぶにだっこしています。悩む前に是非公正取引委員会に相談しましょう。