今日、誰のために生きる?

本を買いました。ペンキ画家のショーゲンさんがアフリカで体験したお話の本。

知人のオススメで読んだんですが、(あ。言っちゃって良いのかな?赤尾由美さんです。)個人的に、もう大変に感動したのでそのことを書きます。

アフリカのシャーマンが不思議な力で古代の日本の歴史と繋がっていて、日本からやってきた青年に伝えるというへんな話。で、青年ショーゲンが「昔の日本人のこと」を色々教わる訳です。

争い事のない社会とか、言葉に思いを乗せるとか、感謝を伝えるとか、それはとても大切で、でも現代では蔑ろにされがちなことで、こういう話だけでもとても感動的です。

でも私の決壊ポイントは別にありました。それは虫です。

虫の知らせとか、虫唾が走るとか、虫の「声」とか、とかく日本人は虫と距離が近い。また一方で、日本人は耳、聴覚に非常にこだわりを持っている民族だと。それは結構知っている所でした。

そしてこの本では言うのです。昔の日本人は虫たちと会話していた。虫たちの声を聞いていたと。虫たちと生きる喜びを分かち合ってたと。

小さい頃をすごした留萌ではいつも虫の声の中で暮らしていました。そして小さい頃は虫を殺さない子供でした。それはちょっと異常なくらい。振り返って思い出しても、可哀想とかこわいとかそういうのではなくて、なにか取り憑かれたように殺してはいけない!ってなってました。

家の中に入って来た虫は、蝿や蚊さえも、頑張って外に追い出していました。高校を出て上京して初めて遭遇したゴキブリも最初の頃は殺せずにいた。それがいつの頃からか、蚊もゴキブリも平気で殺せるようになってました。

本では日本人に問いかけています。「虫の声聞こえてる?」って。

瞬間的に決定的に、気づいたと言うか、思い出しました。

あれほど聞いていた虫の声、いつから勝手に離れてしまっていたんだろう?あんなに大事にしていた虫たちをいつから殺すようになっていたんだろう?と。あんなに寄り付いていてくれていた虫たちに、自分はなんてことをしてしまったんだろうと。

その瞬間に、人生MAXで泣き崩れてしまいました。頭の中は真っ白で何も考えられず。でもただただ、申し訳なかったという気持ち。

私は毎朝外を40分歩くのをもう何年も続けてるんですが、それからは歩く時にイヤホンで音楽を聴くのをやめて、外の音を聞くようにしています。虫たちの声はとても少ないけど、まぁ他のものたちの声も少しはあるし、こうやっていろんなものに目や耳を向けていって、虫や動物や赤ちゃんとやけに仲の良かったあの頃に、少しでも戻りたいなぁと思いながら過ごす、今日この頃です。

2024/1/26


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