代表理事の中村です。少し思っている事を書いてみます。具体的な数字とかは正式に裏を取ってはいませんが、状況等については大きく外れている事はありませんので、ご理解の上お読み頂ければ幸いです。
ここ最近日本酒がメディアに露出しはじめています。去年から震災復興の影響もあり、日本酒の出荷量も、十数年ぶりに上向きになりました。そこだけ見れば未来は明るい、大変結構な状況、と言えなくも無いのですが・・・。
実際問題としてはメディアは先走るものだし、なにより水物です。日本酒の海外進出にしても、裏側では国内の需要が頭打ちになりつつある苦しい事情が先に立っています。現状はまだまだ厳しい中にあると言わざるを得ません。
一つ例を挙げれば現在でも国内での酒類流通量のうち、日本酒(清酒)の占める割合は1割を切っています。さらにその日本酒の内訳が料理酒や普通酒で7~8割を占めています。つまり純粋に日本で呑まれている、もしくは愉しまれている日本酒の量は、消費されているアルコール類全体の1~2%程度であるということになります。これが現状な訳です。
ここで我々一般人のサケに関する普通の感覚を簡単にまとめると、まずは種類が限られていてなんとなくそれでもう選択肢は無いという固定概念が横たわっている。銘柄は特にこだわらずビールかサワーか割った焼酎、ちょっと気取ってワイン、たまに高い酒を適当に。それぞれ銘柄については内容よりもイメージで決める事が多い…。
この状況は日本に暮らす者にとっては非常にもったいないことです。友人に日本酒を勧めると決まって「こんなに美味しいとは知らなかった」と言います。普段でも仕事が終わって仲間と呑みに行くとか、家でゆっくり晩酌をするとか、そういう時に実はいろんな選択があって、追いかければとてつもなく深くて広い世界が広がっている事を、ほとんどの日本人が知らずにいるのです。
どこに行けばこのサケが呑める。ここは好きな銘柄が無かったから行かなかったけど今度からあの銘柄が入るらしい。近所の酒店が好きな銘柄を扱い始めた。などなど。
このような情報はかなり追いかけてそれなりの道を発見しないとキャッチするのが難しいのが今の現状です。それでは日本のサケ事情はいつまで経ってもジリ貧で、日本の活力が損なわれたままです。
ローカルな生の情報を草の根で繋ぐことはネットの世界の独壇場と言っていいでしょう。ならばネットの中で我々消費者が薄く広く、ほんの一つ二つの情報を手に入れることができる状況を作り出す他無い。そういう結論に思い至る訳です。
それが「サケ・ネットワーキング・サービス」の根本理念です。
2014年10月1日