私を襲った東大生

もう6~7年くらい前になるかな?朝、子供たちを自転車の前後に乗せて学校と保育園へ送りにいく道中、猛スピードの自転車に突っ込まれた事件。

7年たった今、負傷した右手の具合はと言うと、握力が結局戻らないのと、痺れみたいなのがすぐに出てうまく使えない状態。

握力は事故の1~2ヶ月後くらい、病院通いが終わってリハビリセンターで測った時はたしか数kgくらいしかなくて。で、その頃はペットボトルのふたが開けられなかった。今もコーヒーとかの硬いやつとかは無理。

あと地味に困るのがホウキで掃くとか、掃除機をかけるとかできない。まぁ掃除機は両手でなんとかなるけど玄関の掃き掃除用のホウキとかは両手で持つには小さすぎるんで意外に不便。

でも一番精神的に応えたのはギターがうまく弾けなくなったこと。高校ぐらいからギターをやってて、なんせ私の好きなスタイルはファンクとかソウルとかの、カッティングプレイ。ソロとか一切やんないタイプだったので、右手が結構命だったわけなので、それが一番悲しいかな。

7年たった今でもたまーにフラッシュバックするので、この際いっちょ書き残したりしたら、いいデトックスになるかな?なんて。


ぶつかられた瞬間、最初に考えるのは子供の体。異常ないか聞きながらあちこち見る、次に自転車もチラ見して壊れてないか見る。たぶんこの間1秒ない。

次の瞬間相手を見る。逃げないかどうか。こっちを気にしながら、それでも横断歩道を渡ろうとしてる。そんでまた瞬時に考える。後になって子供の怪我とか自転車の故障とかに気づくパターンだこれ。ってなって呼び止める。

この時は相手は普通に立ち止まった。

そんで話しかけた。危ないでしょ。いくらなんでも。なに?急いでたの?学生?てな感じ。で、後になってなんかあるといけないから、連絡先とか、身分証とかある?

妙に堂々と身分証を出してきた。

「あー。東大生かー。あそこの寮から来たのね?」と言った途端の彼の顔が今でも印象深い。あんなにあからさまなマンガのようなドヤ顔は初めて見た。この状況で自慢げな顔するって普通に頭が悪いんだけど大丈夫かな?って。

んで、しょうがないから「後から怪我とか故障とかがわかるといけないから連絡先知りたいんだけど…バックレられても困るから、この学生証写真撮らせてもらうね。」と、言った瞬間、身分証を剥ぎ取られた。

おいおいなんだ?じゃぁどうすんだ?逃げて済ますの?と聞くと、学校はダメだ学校はダメだと繰り返してきたので、思わずさっき思ったことが声に出た。

「頭悪いなぁー。じゃぁどうやって済ませるつもりなんだ?」って言った。こっちはぶつかられた瞬間から逐一判断してんのに、こいつはなんも考えてないのかな?バカなのかな?って。なんて、ちょっと考えてるうちに隙を見せたかな?急に自転車に飛び乗って逃亡を図られた。

そりゃ止めるしかない。で、自転車の後ろの荷台?を掴んで引き戻したら暴れた。後からわかったことだけど、自転車を股の下に挟んだ状態で暴れられたもんだから、私の両内腿が内出血で大変なことになってた。後日警察署で見られてドン引きされた。写真もあるけどグロいので公表は控えよう。

この時になまじ止めることが出来たんで、私の方はかえって判断するのをやめてしまった反省点が残る。止められる感じだったので止めたままにしてしまった。危なそうだったら手を離して、逃すことも考えたと思う。

それよりも、こっちとしては終始後ろにいる子供たちに危害が及ばないようにするのが第一義だったから。

またちょっと油断があって指を掴まれた時はやばいなどうしようと思ったけど、すでにもうこっちから手放すことはできなかった。

そんな中でもやっぱり考えるのは後ろにいた子供たちのことで、こいつをこの状態のまま後ろに行かせちゃならんと思って。だから避けるとか振りほどくとか、ましてや応戦するなんてできなかった。というか、いい対応がさすがに思いつかなかった。

いや、そうだ。確かこの時は「こいつに子供たちの顔を覚えられるわけにはいかないっ!」ってなってたんだっけ。

黙って受けるのみの感じになってしまい、折れるかな?と思ったけど意外に丈夫な指だったようで、犯人があきらめる方が早かった。

もうしょうがないので、一応それでも何度か念を押してから警察に電話。

この時に色々考えた。

学生証の写真を撮る時に少し話せば、まぁこういう場合はこうなる、こういう場合はこうなる、たぶんほぼほぼ大丈夫っていう会話ができてたら、と。結果、子供たちに怪我はなかったし、自転車も壊れてはいなかったから、連絡することはなかった。この時の会話で「たぶん連絡することはないと思うよ?」っていう言質は取れたんだよ学生くん。だから言ったんだ、アタマ悪いなーって。

警察呼ぶほどになったのも愚かだった。百歩綴って逃げようとしたのをよしとしよう。ただ、私に自転車を掴まれた時点で、逃げられる、られないの判断ぐらいつくだろう。そんな判断もできないほどテンパってたと言うならこれもまた頭が悪いし、暴力に打って出て、その後どういう顛末が待ってるかもわからないと言うなら、やはりこれも知能に問題があるといえる。

あっさり観念して話に応じれば、警察のご厄介になることも、弁護士とうだうだすることもなかった。君も親に泣きついて何百万も払う必要はなかった。私も右手の不自由に苦しむこともなかった。ただのちょっとした焦りや浮ついた考え、まるっきり幼児の類のそれらが、これほどの不毛な状況を作り出したわけ。これぐらい分かれよー。大学生だろー。

ついでに、じゃぁ、万歩譲って、私に暴力を振るってしまったところまでを良しとしよう。大サービス。警察を呼ぶまでかなり猶予があったはずだ。色々話しかけてやったぞ。あの時に少しでも冷静さを取り戻して、反省の態度を見せれば警察は呼ばなかった。

その場合なら、まぁケガの程度は酷かったから、治療費とリハビリ代はかなりかかったけど、払いはそれだけで済んだ。お互いの弁護士に払った金、こっちは100万近くかかった。そっちはもっとだろう?トータルで200万超えてたんじゃ?これがまるっといらなかったはず。

まぁ、警察に対しても終始ふてくされてたからなー。だから刑事さんがそうとう息巻いて「呼び出してガッツリしぼっときますわ。」と言ってて、後日「ガッツリ絞っときました。まぁ少しは自分が何をしたかわかったみたいですよ。」って怖すぎだよ刑事さん。ラグビー日本代表みたいな体して。

さてあの時の東大生はたぶんとっくに卒業して、どこぞに勤めてるのかな?それとも院にでもいってるか?でもあの頭の出来じゃぁなー。

あと。弁護士を通して示談条件を進めてる最中に謝罪らしき手紙が届いた。読まずに返したけども。あの封筒に書かれた「お詫び状」の文字。ヘタすぎて吹いたわ。当時小一の息子のが字上手いよ。

キーボード打ち続けてまた右手が痺れてしまった。右手が痺れるたびに思い出すのが嫌で、書いて忘れようと思ったのに。


投稿日

カテゴリー:

投稿者:

タグ: