いつも心にMuddy Waters

映画って当たり前だけど映像も音も全部出来上がってる。だから見る側はイメージする必要がない。全部完全に受け身。これが妙につまらなく感じるのです。テーゼに対し、考え、イメージする。ここに作品と自分との交流が生まれるわけで、すべてが「既に決まっていて、見えてしまっている」のがイヤなのです。主人公をとりまく景色とか音とかは私が考え、決めたいのです。

まぁソーユー意味で映画は私にとってあまり積極的に足を踏み入れることがないものなんですが、どーもハタから見てるとみなさん映画好きで。ちょっと変なカンジがするほどミンナ映画が好きですね。もちろん悪いコトではありませんが。

でもあまりに画一的なのはどうでしょう？映画が好きなことが、そして映画好きが増えることが手放しで喜ばしいことなのでしょうか？はっきりいって私はそうは思いません。勉強ができないより出来た方がそりゃいいでしょう。本を読まないよりは読んだ方がいいでしょう。でもテレビを見ないより見た方がいいといえるでしょうか？雑誌やマンガを見ないより見た方がいいといえるでしょうか？映画というもの自体はそれ"相応"であることを忘れたくはないと私は考えます。

テレビを見ない人間がまるでどこかがおかしいかのような口振りも時に耳にします。ファッションに興味がない人間は頭ごなしにダメだという声も時に聞きます。そういう深く考えない、イメージもない"世間一般"というものが織りなす小さな社会のせいで、逆に拉げられている何かがあるのかもしれない。そんな考えも今では一番隅っこに追いやられているのかもしれない。人との会話のなかでふとそんな風に考えることがあります。